『Runic Fantasy: Expanded Professions』
2006年11月、恐らく初のMRQライセンス生産製品になると思いますが、Ronin Arts社から『Runic Fantasy: Expanded Professions』が電子媒体で出版されました。
内容が解らなければ買うに買えないなぁ、なんて思っていたのですが、値段が$6.95でPaypalが使えるということもあり、またDownload販売という形で手軽なので、思わず購入してしまいました。
と言う訳で、折角購入したのだから、その内容を簡単に紹介していこうと思います。
職業一覧
『Core』で掲載されているものと同様で、職業名・文化背景・基本技能ボーナス・上級技能ボーナスの一覧です。
当然ながら『Core』『Companion』、それから『RF:EP』の内容がマージされています。
職業解説
『Core』『Companion』『RF:EP』、あわせて52種の職業について、大体一件あたり35〜50語程度で解説されています。
まあ名前でどんな職業なのかは判断できるので、いらないっちゃあいらないんですけど、そもそも『Core』で職業の説明が一切なされていなかったことを考えれば、こういうのを商品とするアリではないでしょうか。
職業能力【Bonus】
追加ルールです。各職業の解説のあとに記されてます。
従来では、職業というのはキャラクタ作成前の成長に使うものであって、一度キャラクタが完成すれば、それは単なる背景に過ぎませんでした。これは3版もそうでした。それを止めて、ゲーム中でも職業にルール上の意味を持たせようというのがこれで、例えば錬金術師なら、ポーション作成に必要な時間が半分になる、という風に、その職業に特化した特殊能力を紹介しています。
これを採用すると、どんなに技能値を高めても本職にはある特定の部分で絶対に適わなくなるあたり、好き嫌いの分かれるところだと思います。
兼業ルール【Selecting Two Professions】
追加ルールです。
自由技能点と年齢を消費して二つ目の職業につくことができます。が、上記の職業能力ルールを採用しないのであれば、まったく意味の無いルールです。
……いや、そうでもありませんでした。職業能力ルールを使わなくても、暗殺者・剣闘士をやる場合のみ意味があります。それ以外は無意味です。
追加職業17種
と、言うわけで、どういった職業が追加されているのか、そしてその職業が自由技能点何点で構成されているのかを記しておきます。
- 【Apprentice】:30点
- メイソン系のせいでややこしいですが、純粋な意味での徒弟で、職人の弟子です。
- 【Armorer】:30点
- 鎧に特化した職人【Craftman】です。
- 【Assassin】:65点
- 暗殺者です。
- 【Bodyguard】:50点
- 護衛。
- 【Brute】:30点
- 悪漢。
- 【Con Artist】:50点
- 詐欺師。
- 【Conscript】:30点
- 徴集兵。強制徴募を喰らって、無理やり兵隊にさせられちゃった可哀想な人。でも頑張ればトマス・キッドを目指せるのかも。
- 【Executioner】:35点
- 首切り役人。
- 【Follower】:40点
- 従者。〈Persistence〉なんか手に入れちゃう辺り、とほほ。
- 【Gladiator】:70点
- 剣闘士。
- 【Graverobber】:40点
- 墓荒らし。副葬品狙い? ううん。死体だって売り物になるんだよ。
- 【Highwayman】:30点
- 追剥。ここでは騎馬強盗ってわけでも無いみたい。
- 【Laborer】:25点
- 肉体労働者。たーてー、飢えたる者ーよ。
- 【Leech】:25点
- お医者さん。とはいっても民間治療者とかそういう感じ。
- 【Scout】:50点
- 斥候。
- 【Sorcerer】:40点
- 魔道士。だけどもグローランサの用語と分ける意味では妖術師とか言う方があっているのかも。
- 【Vagabond】:50点
- 放浪者。
最後に
さて『Core』や『Companion』の職業は、自由技能点ルールで換算して、上級下級あわせると50点になるように調整されています。しかしそれに対して、『RF:EP』初出の職業はそうなっていません。既に記してある通り、下は25点から上は70点までという幅広さを持っていて、そういう意味ではバランスが取れているとは思えません。ボーナスルールと併用して初めてバランスが取られるくらいの扱いでは無いでしょうか?
しかしボーナスルールを適用すると、今度はキャラクター成長後にバランスを欠いたものにもなってくると思いますので、この本のルールを採用するに当たっては一考くらいはしておいた方がいいと思います。まあバランスが崩れるとはいっても、ゲームが崩壊するようなものではないので、熟慮までは必要ないでしょうけど。